先日、娘が「手首から前腕にかけての痛みで仕事上困っている」ので予約出来ないか」と母親からメールが届きました。
その後、本人とメールで来院日の日時を打ち合わせ埼玉県は所沢市より来院して頂きました。
そのご本人様は、まだ美容師の専門学校に通学していた20歳の時に初めてお姉さまの紹介で来院されたお嬢様でしたが、今ではイギリスでの美容師留学をへて29歳になり、立派な美容師になっておりました。
その間、幾度となく来院されていましたが、約一年振りの来院に私は再開することを楽しみにしていました。
当日、会ってお話をすると容姿も口調も20歳の時と変わらず初々しいままでした。
お話を伺うと、お客様の頭部を右腕に乗せて支える時に痛みが生じて支えられなくなり仕事上困惑しているとの事でありました。
座位にて左右の前腕の形状を比べると、左前腕は肘から手首までなだらかに太さが変化しているのに比べ右側は手首近辺に向かって急激に細くなっているように観えました。
左右の前腕の各部分の皮膚及び筋肉の硬さ弾力を比べてみると、右前腕の肘と手首の中間あたりの内側の皮膚の動きが悪く筋肉も硬く硬結している様に観えました。
左右上肢の形状を観ると肩から肘にかけての上腕に比べて肘から手首にかけての前腕が外側に{くの字}に変化している様に観えました。
これから推察すると、髪切りハサミを持つ右手は親指、人差し指、中指で操作するのに比べ環指、小指は働いていないため親指側の筋肉が働きすぎて前腕が外側に引っ張られて{くの字}に、
親指側の母指球を押さえると圧痛があり母指球筋の過緊張が捕えることが出来ました。
これは親指側を支える腕橈骨筋が働き過ぎ、小指側を支える尺側手根屈筋が働いていないために手の平の内側の手内在筋を含め、手指、手首、前腕の筋肉バランスがくずれた為に起こった症状と推察できます。
上肢の筋出力検査をすると肩の後ろ側の筋肉(肩甲骨の内側にある菱形筋、上腕の後ろ側の上腕三頭筋)の筋力低下が見られました。
この二つの筋肉は弱っている、つまり働いていない小指側の筋肉と共同して働く共同筋の関係にあるので、これらの筋肉を働かせる「筋収縮」させる操作をすれば良い事が分かります。
逆に圧痛のある母指球筋、腕橈骨筋と共同筋である肩の前の肩甲下筋、前鋸筋を緩めることによって、これらの筋肉と拮抗筋の関係にある前記した働いていない筋肉が蘇ることにもなりますので、
この操作をする事で困っていた症状を改善することが出来ました。
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職場で同じ仕事を普段している二人の内、一人が仕事をしない「さぼっている」ともう一人の人に負担がかかってしまい、それが長く続けばその人はダウンしてしまいます。
これを回避するには、さぼっている人「働いて居ない人」に働いてもらい、ダウンした人には休んで休養をとってもらう事で仕事がスムースに働きパホーマンスを上げることが出来ます。
この様なことが人間の身体の中の筋肉についても行われています。
これは仕事の内容、趣味、スポーツ、癖等々により体の中の筋肉の使い方が変わってきますので、ダウンする前に日頃ののチェックとリセットが必要であります。
このチェックとリセットをする為にも当院での定期的な来院をお勧めします。